このブログは何年続くのかな…
WE制度で日本沈没?(1)の続き。多少長いですが、WE制度は労働者なら絶対知っておくべきです。

まず最初にハッキリ言っておこう。ホワイトカラー・エグゼンプション(以下、WE制度)の一番の問題ってのは残業代じゃないんです。もちろん残業代も大事だが、もっと大事な話が隠れている。この話がクローズアップされたら、サラリーマンだけじゃなく、フリーター・パート・派遣、果ては公務員まで全員が大反対する自信あり。その一番の問題とは、

労働時間を管理しない

これのどこが問題なのか。労働者の立場ではイマイチわからないかもしれない。しかし悪の雇用者に仕えていた場合、大変なことになります。

以下、私は悪の雇用者・マクマホン大生に変身します(笑)

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よぉっ、オレは会社を経営しているマクマホン大生。人は自分を悪の経営者だというが、そんなことはねぇ。制度に忠実なだけだ。オレの会社は某プロレス団体。社員20人+スポット参戦のパート5人、合計25人だ。今年からWE制度導入らしいな。どんどん賃金を削れるってんで非常に嬉しい。

よし、まずは残業代を削ろう。これは当然だな。

まだまだ賃金削れるな。おいパート5人、お前ら全員クビな。なんでかって?社員20人もいるんだから、ダブルヘッダーすればお前らが試合しなくても大丈夫なんだよ!クビだクビ!

よし、ある程度賃金は削ったけど、まだまだ我が社の業績は伸びる!おいお前ら、今度から巡業の数を2倍にするからな!これまでは週3日の試合でよかったけど、今年からは週6日にするからな!なに、給料上がるのかって?上がるわけねぇだろ!残業代、休日出勤代、全部ゼロだ!お前らの給料は月給で固定制になったんだろ、忘れたか!

なに、仕事がキツくて自殺したやつがいる?そんなのは放っておけ!今までは健康管理時間ってのがあったからムリできなかったけど、今はもうそんなのねぇんだ!過労になるやつは仕事が遅い・できないやつってことになったんだよ!自殺するのは死ぬやつの自己責任ってやつだ、オレは知らん、オレの責任じゃない!だいたい、もう労災保険は解約しちゃったしな!過労死が会社の責任じゃない以上、労災なんて要らんからな!


はいお分かりでしょうか。労働時間を管理しないってことは、残業代・休日出勤代がなくなるだけじゃない。ここから色んな方面に悪影響が出るんです。

・正社員の仕事量が増える=パートの仕事がなくなる(クビ)
これはちょっと考えれば判りますな。正社員の仕事をいくら増やしてもいいんだから、それを補助しているパートの仕事は必要なくなる。つまりパートがみんなクビになる可能性がある。

・パート希望の人間が激増する=就職難、賃金引き下げへ
これはマクマホン大生氏は触れてませんが、パートがみんなクビになれば当然パート希望の人間が増える。そうなると就職が非常に厳しくなり、募集する賃金も引き下げられてしまう。今は時給1,000円くらいのセブ○イレブ○なんかのコンビニバイトでも時給500円とか…。それでもまだ仕事が見つかるだけマシだ、と思って面接に行くと希望者が20人以上…なんてことになりかねん。

・正社員の仕事量が増える
今までパートさんとやっていた仕事を1人でやることに。作業量が激増、かつ残業代が出ない…おお恐ろしい。しかもそれで仕事を落としたりしたらもちろん減給。やってられませんな。

・過労認定されない
過労かどうかの判断は健康時間で行っている。しかしWE制度では労働時間を管理しない。つまり…過労の認定が非常に難しくなる。法廷闘争に持ち込んだところで「証拠不十分」なんて言われるのがオチ。

・少子化、格差社会などの社会問題誘発
仕事が忙しければ子作りもできないし、共働きじゃないと生活を維持できなくなるし。少子化は確実。あと格差社会問題なんてのも当然出てくる。だって失業率も確実にアップするからね。

すごいでしょ?労働者全員が大損ですな。民間労働者の賃金が少なくなれば、当然公務員の賃金も下がるはず(国民が黙っていないでしょ)。結局、儲かるのは経営者だけ。しかも経営者だって一時的に儲かるけれど、内需が冷え込めば当然モノが売れなくなって大損。つまりは日本国民みんな大損。いやーすごい。まさかハルマゲドンがこんな法案一本で訪れる可能性があるとはね。しかしこれを提言しているのは経団連(=経営者)だけど、これって自分の首を絞めることになるんじゃないのか?海外にモノを売るから、日本国民がどうなろうと知ったこっちゃないんだろうか。うーん何を考えてるのかワカラン。

もちろん、こうならないためにも色々と歯止めが必要。労働時間・日数に制限をつけるとか、かなり高額の給料をもらってる人に限るとか。元々WE制度は他の先進国が導入しているんだから、上手く歯止めをかければ機能する可能性もなくはない。しかし現在の法案はその歯止めはほとんど論議されていない様子。これを考えないまま法案が通ってしまうと恐ろしいことになりかねない。しかし歯止めをかけるべき自民党は経団連から企業献金をもらっている以上、経団連の言いなりになる可能性が高い。対する野党第一党・民主党は反対はしているが、小沢代表は「企業献金が少ない」などと言ってるだけにアテにならん。しかも一旦法案が通ってしまえば、改正するのはカンタン。今は部長・課長クラスの「管理職レベル」への適用だけど、その適用を「管理職に準じるレベル」にするとあら不思議、係長・主任レベル、果ては正社員までが対象になってしまう(いずれ出世するからね)。おーこわ。

この法案が通った場合、労働者は大幅に賃金がカットされることが容易に想像される(残業代含む)。そうなった場合、サラリーマン・派遣は非常に苦しくなる。生活面も体力面も。この法案から逃れる術としては「自分が経営者になる」くらいしか考えられませんな。私だったら会社辞めて、ヨメの実家でやってる税理士事務所に雇ってもらうのがいいかも。経理の知識とPOG的見解をウリにして。
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コメント
この記事へのコメント
上のような「悪の雇用者」は会社を畳むでしょう。企業規模は小さくとも待遇の良い会社は他に色々あるだろうし。

<私から見たWE制度>
・雇用市場がさらに流動化
・経営者側は、優秀な従業員が逃げないよう「給与増」等を対策
・優秀な「労働者」は、待遇に加え「経営者の夢」に自分を重ねる事が出来るか否かで判断。Spin outする者も。
・「ウチの会社で働く事=『幸せ』」と感じられる環境創り
(総務がカギ)

要は、世間一般どこでも通じるスキル(実力)があれば問題ない。
格差社会の差が更に広がるだけ。
これは恒久不変でしょう。
一人で予算が作れればいいんじゃないの?
2007/01/05(金) 17:27 | URL | 家鴨 #-[ 編集]
「甘えを捨てろ」by利根川

 優秀な労働者を見抜くだけの優秀な経営者であれば問題ないのですが・・・

 給与増が見込めない、税金から給与をもらっている人は、どうしたら
いいでしょうか?v-12
2007/01/05(金) 21:16 | URL | まっしー #-[ 編集]
>家鴨さん、コメントどもです。
悪の経営者、と書きましたが、現在では「悪」に見えても、しばらくしたらこれが「普通」になりかねません。他の企業がみーんな「悪」だったら、それが「普通に」なりますもん。経団連という大きな存在が上のように賃金削減に躍起になった場合、他の企業も「右へならえ」をすると思います。それは大企業に限らず、中小企業もやるでしょう。だって「右へならえ」やらないと価格競争力が落ちるもの。

雇用市場の流動化ですか…確かに流動化はするかもしれませんね。でも需要と供給のバランスはどうするんですか?労働力の需要は減るけど、クビになった非正規雇用者(パート・アルバイト・派遣社員など)によって供給は増えますよね。さらに、消費が冷え込めば子作り停止⇒共働きも増えて、さらに供給増えます。これだけでもかなりバランス崩れてます。しかも経団連の動きとして、外国人労働者を優遇する姿勢を取ってますよね(就労ビザの発給緩和とか)。ますます需要<<<供給になると思いますが。もし大幅にバランスが崩れたら…あとは言わずもがな。

それと「世間一般どこでも通じるスキル(実力)」って書いてますけど、要求されるスキルってのも段々高くなりませんか?二極化が進むってことは、トップレベルの争いも激しくなるわけですから。例えば…TOEIC600点で「優秀」だったものが、800点以上じゃないと「優秀」とされないとか。じゃあ今からスキルアップを目指せばいいじゃないか、となりますが、その前に残業代カット+仕事量アップの地獄コンボ…スキルを上げるヒマもカネもなし、ってことになりかねないかも。

>まっしーさん、コメントどもです。
税金から給与をもらう人々…カンタンに考えれば下のようなコンボが成り立つような気が。

【公務員の行く末】
?民間の賃金カット⇒?消費冷え込む⇒?税収減る⇒?(((( ;゚Д゚)))ガクガクブルブル

税収が減る以上、どこかを削る必要がありますが…その削る対象に公務員の給与が狙われても全く不思議じゃありませんな。というか民間との格差が顕著であれば、真っ先に狙われてもおかしくないかも…
2007/01/05(金) 23:27 | URL | 大生 #-[ 編集]
私は採用する側にいるからこう考えるのかもしれませんが。
弊社のような泡沫企業では、広範な業務を通じ、経験豊富で優秀なエンジニアの確保・流出の歯止めが難しい状況にあります。
実感としては、国内における優秀な労働力の需給バランスは高いレベルで均衡すると思います。
さもなくば、優秀な労働者が全て国外又は外資に流出してしまうでしょう。
直間問わず、労働集約的業務に特化した労働力は、業務効率化&外国人労働者によって需要が減る(競争が激化する)かもしれません。
頑張って投資しても、やる気にならない日本の若者よりも、闘う気持ちの外国人労働者の方が経営側からすると「短期的に」プラスです。
企業としては、優秀な人材を揃えて今まで以上に付加価値の高い製品・サービスの提供を追及してます。
製品にはライフサイクルがあるように、殆どの企業はずっと同じ事をやり続けていては存続出来ません。
また個人についてですが、点数云々はわかりませんが、要求されるスキルが社会経験に応じて高くなるのは当然。
如何に濃密な時間を過ごしたかで評価される筈。
それは「眼」に現れるもの。
打たれ始めた斉藤雅樹のようでは厳しいでしょ?
やはり男の顔は履歴書かと。

公務員についてはよく分かりません。
2007/01/06(土) 11:35 | URL | 家鴨 #-[ 編集]
>家鴨さん、コメントどもです。

>優秀な労働者が全て国外又は外資に流出してしまうでしょう。
これ、十分考えられますね。日本で働いても、給料は上がりこそすれ「サービス残業当たり前」という考え方は絶対なくならないだろうし。だったら同じ給料でサービス残業のないところ(国)へ行きたくなりますな。

それと、
>頑張って投資しても、やる気にならない日本の若者よりも、闘う気持ちの外国人労働者の方が経営側からすると「短期的に」プラスです。
こんなトンデモない法案を通されちゃったら、若者に限らず、普通の日本人はやる気激減しますな。サービス残業当たり前、過労死しても自己責任だもの。だったら最初から外国人労働者だけにしたら?ってカンジですな。日本の消費ガタ落ちで、世界恐慌になると思いますけどね。

まあ、仮に私がトンデモナイ能力を持っていて、出世競争に勝ち残れる自信があったとしたら、余計にこんな国には残りたくないですな。賢明な人であればあるほど、そう思うんじゃないかな。そこまで考えて労働者から賃金をむしり取ろうとしているのか、甚だ疑問です。

ちなみに今日の新聞の記事

・安倍首相は5日、一定条件下で会社員の残業代をゼロにする「ホワイトカラー・
 エグゼンプション」の導入について「日本人は少し働き過ぎじゃないかという感じを
 持っている方も多いのではないか」と述べ、労働時間短縮につながるとの見方を
 示した。さらに「(労働時間短縮の結果で増えることになる)家で過ごす時間は、
 例えば少子化(対策)にとっても必要。ワーク・ライフ・バランス(仕事と生活の調和)を
 見直していくべきだ」とも述べ、出生率増加にも役立つという考えを示した。

この首相、全く逆のこと言ってる。アホ確定ですな、完全に見放しました。
2007/01/06(土) 20:14 | URL | 大生 #-[ 編集]
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